夢見た橙色 『クモマツマキチョウ』 5.24〜25 2019
こんにちは!これから蝶の撮影の記事をサボらず書いていこうと思います!よろしくお願いします!
第一投目は僕の中の永遠の憧れの存在であるクモマツマキチョウ!誰もが憧れるという決まり文句!
自分が蝶に本格的に興味を持ったのは小学五年生の時に参加した名古屋市の小中学生を対象とした教員様たちが主催する昆虫採集合宿がきっかけでした。もともと小さい頃から毎日のように虫あみを持ち歩いていた人間だったのでこれは参加するしかないと!って思って応募しました。合宿は信州での1泊2日で標本作りや昆虫の知識を教わりました。それがきっかけで詳しい蝶の図鑑や海野和男さんの本を買ってもらったりして蝶がどんどん好きになりました。近頃まで採集をメインでやっていましたが最近は自分の中の価値観が大きく変わりつつあって網を置こうと考え始めています。これからも蝶たちと向き合い考えていかなきゃって思います。
話を戻します!(笑) クモマツマキチョウはとても綺麗な高山蝶で生息地のロケーションや美しさや生態などどれも魅力的です!これらが相まって憧れの的になってるんじゃないかなと思います。
今回は2泊3日で北アルプスへ出向きました。
本当に1番憧れの蝶と言っても過言ではないので人生初を大切にしようと誰もいない場所で1人で感慨に浸れるように自力で場所を探すことを決意して挑みました!
5.24
朝3時半に起床し向かいます!国道19号は景色も良いですし走りやすいし信州へ通う身としては最高の道だと思います。まだ納車1ヶ月なので無理せず集中して運転します。
現地に到着し、場所探しを始めます。
何より景色が良すぎて歩くのが全くつかれません!生息地を訪ねるのは初めてでどこをどうやって探せばいいかまったくわからない!
沢沿い、がれ場、ミヤマハタザオ、スミレとか言うキーワードを思い浮かべながら探します。
まず本日初蝶は高山蝶コヒオドシ!
初めて見るのでとてもワクワクでした。
カッコよすぎる…… 新成虫を見に行こうと決心
しばらく歩くとミヤマハタザオが群生している場所、沢沿いのスミレ群生の2箇所が見つかり今日はその2箇所を回ったり待ったりする作戦にしました。
2、3時間ずっとその場所を歩き回りました。
スミレにはキアゲハ、コヒオドシが来ました。
疲れてきてぐったりしていたところハタザオの場所の沢に白い蝶!これがっ!と思ったがヤマトスジグロシロチョウにも見える。全く近寄れず消えていってしまった。ここで悟った。
全然止まらない蝶、出会っても撮影できない。
現実は厳しい。そして自分はクモマツマキチョウのことを完全に舐めてたんだなと。。。
そして夕方になりげっそりネガティブになりながら歩いて今日の対決は終わった。
5.25 2日目
昨夜宿ではビールを飲み温泉に入りルンルン!
一人旅最高かよ!クモマツマキチョウ見れなくても楽しいじゃん!ともう諦めていた(笑)
朝8時にまた到着。
移動中には 昨日の場所をもう一度やるかとても歩くかついい場所が見つからない可能性があるが新しい場所に行くか二択で迷っていた。
決死の覚悟で後者を選んだ。
沢沿いの暗い林道を3時間歩く 蝶もいないし植物も同じだしあまり面白くない。
3時間歩くと沢のがレ場に着いた。歩くがハタザオやスミレが無い。昨日からわかるとおり吸密をしてくれなければチャンスはない。もう少し歩こう。
歩くと沢沿いのガレ場+ハタザオ少々 スミレ群生と自分のイメージが全て揃った場所に行き着いた。
アサギマダラこの時期にいるんですね!美しい!
またそこらを1時間歩くが何も無い 雲ひとつ無く日差しが痛い。もう昼過ぎになった。
もうダメだ……木陰でコーヒーを飲みスマホを弄りだす。既に2日間で50キロ近く歩いているガレ場で足もやられた。一旦場所を変えて奥へ進むがいい場所がなさそう。
もう諦めて帰ろうとしたがここで諦めて終わるのかと自分に言い聞かせ先の場所へもどる。
これが夢を叶える英断となった。
戻るとキベリタテハ二匹がテリトリーを張っている!キベリタテハは去年探しまくったが会えなかった蝶なので嬉しい!優雅だ。
地面に止まったのでお写真を!
疲れからかカメラ上手く使えず頭も回らない。
越冬明けはキベリが白くなるんですね!
もうキベリタテハと遊ぶことに決めた。座りながら飛翔を見上げる。ため息をつく。
視界右から眩しすぎるオレンジ色が飛び込む!
さすがに叫ぶし立ち上がるし足の重さがゼロになりがれ場を本気で走る。意味わからんくらい興奮していて待ち伏せなどできないとにかく追う。幸せだった。 出会えた。夢が叶った。
ドラマチックなシチュエーションで。
理想の出会い方だったと今思う。
全く止まらないスミレやハタザオに反応はするが飛び回る。 T字を描くように飛翔コースを作って行ったりきり。本気で追うけど全く疲れなかった。アドレナリンすごいよ。そして一瞬スミレに止まったそこを体ガクガクでシャッターを押す。最近身につけたマニュアル露出 マニュアルフォーカスで挑んだ。こんな状況で上手く行くはずないでしょ!!(笑)飛翔を闇雲に連射したり混乱した。唯一本当に1枚だけ辛うじて姿が写った。
初めてを写真に写せた。もうこれだけで上出来だ。ものすごすぎる達成感を感じた。こんなのいつぶりだろう。何にも変えられない感動を得た。その後一瞬の吸密を繰り返すが直ぐに飛び立ちシャッターを押すチャンスがなかった。そして追えない場所まできてさよならを告げた。この10分にわたるクモマツマキチョウとの追いかけっこは楽しすぎた。一生忘れない。
自分にもう少し技術があればもっと綺麗に写せたと思う。しかし全然後悔はない今の自分相応の写真だと思うし美しい写真を撮るという新たな目標もできた。神様は素晴らしすぎるものを与えてくれた。全て上手くいった。コンプリート。
この蝶1匹でこの旅は何万倍にも輝かしいものになった。
この後自分の視界が見違えるくらいに明るくなって長い帰り道も余韻に浸りながら楽々だった。精神に体ってかなり影響するんだなと身をもって感じた。
本当にいてくれてありがとう。
車に戻ると夕方で日が沈みそう。
暗いぐにゃぐにゃ山道を走るのは死ぬので明るいうちに抜ける。
次の日は朝に帰り道の高原に寄ろうと道の駅で車中泊。温泉とラーメンを満喫して最高だった。
朝4時、足の痛みで目覚める。昨日こき使いすぎた。これは無理だと思ってちょっとドライブして帰宅!!!
やっぱり家は大好きだ。昨日のことを家族に話す。